ええ?! ダサくてもいいの??
いえいえ、デザインが『ダサくってもいい』という意味ではありません。
チラシのお仕事が来たとします。
あなたは、何を考えますか?
使う素材、洗練されたかっこいいビジュアル、流行りの色とか使っちゃおうかな・・・。
では、なく・・・
まず、チラシの目的とペルソナ(ターゲット)をしっかりとクライアントとお話をします。
どうですか?
例えば、有料老人ホームのチラシの依頼がきたとします。
有料老人ホームだけど、入居費用もお高めの富裕層向けのものです。
この間見た、分譲マンションのチラシ、すごくかっこよかったな〜
高級感があって、洗練された感じ!
それでいこう!
分譲マンションのターゲットは、バリバリ働いている若い年代層です。
分譲マンションのチラシって、洗練されていて、デザインも素敵で、生活臭が全くない無機質な感じがしませんか? 文字も小さめでおしゃれですよね。
もれなく細めのフォントを使っています。ガッチガッチの太いゴシック系のフォントは多用してません。
いいじゃないですか。住みたいですよね。そんな素敵なマンション。思わず見学会に申し込みしちゃいますよね。
老人ホームに入居される方は?
当然高齢者です。
おしゃれなお部屋に重点をおかれますか?
これから人生を華やかに飾っていくことをご希望はたぶんされてないですよね。
では、何を重要としているのか?
安全、安心、快適に暮らせる終の住処です。
身体が不自由になった時にどれだけ安心して任せることができるかです。
安全、安心、快適、そして豊かな暮らしです。
文字も小さいと読まないです。見えないし、疲れるし、めんどくさいです。
長々したたくさんの文章も読んでもらえません。
チラシの目的は、見学会に来ていただくことです。
そこで実際に見ていただいて、詳しい説明を対面でし理解していただきます。説明はチラシの役目ではなく施設のスタッフさんの仕事です。
もうお分かりですよね?
寒色系、モノトーン、細い小さめのフォントはかっこいいですが高級であっても、老人ホームのチラシには不向きです。
少々ダサくなっても、優しい、安心感のある暖色系の色合いがいいですね。
クライアントが望むところは、チラシのかっこよさではなく、折り込みチラシの反響の高さです。
そして購入者が望むところは、この場合、『終の住処』として決めることができるかどうかです。
「かっこいいチラシを作ってもらったんだけど、問い合わせが少ないんだよね」では失敗作になってしまいます。
一番大事なテキストはどれ?
絶対に認知してもらわないといけないところはどこ?
クライアントの想いが全て反映されてる?
あなたのアイディアもしっかり入れましたか?
このデザインのコンセプトを聞かれたら、しっかり説明できますか?
見る人の心を射るキャッチになっていますか?
ビジュアルは、フォントの種類と大きさ、配置の仕方、余白、色が決め手になります。
袋文字や、シャドウ、囲み、色数など多用はタブーです。美しくないですから・・・。
と言うわけで、私は、チラシ制作にまず必要なのは、『国語力』と『想像力』と考えます。
これらを上手に表現するの『デザイン力』です。
『デザイン力』はいらないのではなく、『国語力』と『想像力』が欠落してしまうと『デザイン力』はないも同じになってしまいます。ないも同じならそんな『デザイン力』はいらないですよね?
というわけで、ずいぶん長い文章になってしまいました!みなさん、お若いから大丈夫ですよね(笑)
『読ませる力』のないものに『デザイン力』いらないというお話でした。